「日曜日しか時間がない」「でも病院は混んでいるし、長時間待たされるのはつらい」——そんな悩みを抱えている人にとって、オンライン診療は大きな味方となり得ます。近年では、日曜診療に対応する医療機関が増えてきましたが、それでも需要に対して供給が追いついていないのが現実です。そんな中、オンライン診療の普及により、患者側の選択肢は格段に広がりました。
オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンを使って自宅から医師の診察を受ける仕組みです。これまでは高血圧や糖尿病などの慢性疾患を対象とした再診が中心でしたが、コロナ禍をきっかけに初診対応が一部認められ、風邪やアレルギー症状、肌トラブルなど、比較的軽度な症状にも利用されるようになっています。なかには、日曜・祝日でも予約が可能なオンラインクリニックもあり、「日曜診療」との併用が現実的な選択肢となってきました。
では、具体的にどのような場面で「オンライン」と「対面」の使い分けが有効なのでしょうか。
たとえば、発熱や咳などの風邪症状が出たとき。「病院に行った方がいいか、自宅で様子を見るべきか迷う」というタイミングで、オンライン診療を利用すれば、外出することなく医師に判断を仰げます。検査や処方が必要であれば、改めて日曜診療のあるクリニックに出向くという流れがスムーズです。
一方、腹痛や頭痛など、症状の種類によっては「実際に診察しなければ判断がつきにくい」ケースもあります。このような場合は、最初から日曜診療の医療機関を受診する方が適切です。最近では、オンラインで問診・トリアージを済ませてから、必要に応じて対面診療にスムーズに移行できるハイブリッド型の医療サービスも登場しています。
注意点として、オンライン診療では対応できない症状や、保険適用の条件が限られているケースもあるため、事前に対象疾患や利用規約を確認することが大切です。また、薬の受け取りは処方箋を近くの薬局にFAXしてもらうか、郵送してもらう形が主流となります。最近では、薬の宅配に対応している薬局も増えているため、受け取り方法も柔軟に選べるようになってきました。
日曜診療とオンライン診療、それぞれにメリットと限界があります。しかし、重要なのは「どちらか一方」ではなく、「両方をうまく使い分けること」。日曜の時間を有効活用しながら、体調管理と医療へのアクセスを最適化することが、これからの賢い医療の受け方なのです。