イタチ被害 再発率を下げるプロの封鎖術|通気口・瓦隙間・基礎開口の恒久対策

イタチ被害の再発率を下げる封鎖は「出し切り→日中の恒久封鎖→清掃・防臭→監視」を同日に進めるのが基本で、夜間の一斉封鎖や発泡ウレタンだけでの塞ぎは厳禁とする。通気口は樹脂ルーバーのままでは破られやすい。既存枠を生かしつつSUS304/316の6〜9mm目ステン金網+1.0〜1.2mm厚パンチングメタルを重ね、アルミや鉄は避けて電食を防ぐ。L字・Z字の補助金具で枠の内側からビス機械固定(ピッチ30〜50mm目安)、周縁はEPDMガスケットかブチルで微隙を止める。換気量は既存開口実効面積以上を確保し、目詰まりしやすい防虫網は二重にしない。ガス機器の給排気口や浴室ファンの吐出口は塞がず、逆止ダンパーの気密改善に留める。瓦やスレートの隙間は「水の流れを殺さず、動物が入れる高さを潰す」が原則。軒先は面戸(雀口)を通気型の防獣タイプへ更新し、棟は樹脂製貫板+ステン防水ビスで再固定、継ぎ目はブチルで一次止水してから棟面戸を正規取付。袖瓦・ケラバの返しが低い場合は水返し板を差し込み、壁際は捨て水切り+立ち上げルーフィング差し込みで“構造止水”に戻す。シリコーンの厚盛りで隙間を埋めるだけの処置は短期で剝がれるため不可。金属屋根の波板端部やハゼも、端末キャップ+防虫面戸の防獣仕様へ交換し、端部はビス間ピッチを詰めて浮きを抑える。基礎開口は通気を確保しながら強度を優先。既存ガラリの裏側にSUS金網6mm目を“サンドイッチ”で挟み、コンクリートにはステンアンカーで枠ごと固定、隅はアングルで補強する。地面際は5〜10mmの水切り隙間を残し、泥だまりで金網が腐食しないよう犬走りを整える。床下点検口は薄板ではなく簡易金属扉に替え、四周にブラシシールを巡らせて可動部の微隙を潰す。配管・ケーブルの貫通部はスリーブを基準に、外側は金網コーン+防鼠パテ、内側は不燃バックアップ材+変成シリコーンで二面接着、将来の更新用にケーブル余長を残す。木口・合板端部は咬み破りを防ぐため、必要に応じて0.5〜0.8mmのステン薄板で“覆う”発想を併用する。材料は金網・パンチング・ビス・ワッシャ・金具まで全てステンレスで統一し、異種金属接触と海風地域の腐食を回避する。封鎖順序は、まず外周調査で出入口の“水筋と獣筋”を地図化→日没前に強光・人感ライト・短期忌避で外方向の流れを作る→一方向ゲート(ワイヤーファンネル/フラップ)を主要開口に仮設して2〜3晩の外出を確認→日中に機械固定で本締め、が失敗しない。ゲート撤去前に足跡粉・赤外線カメラ・録音で在室がないことを確認する。仕上げは清掃・消毒・防臭シーラーで臭い戻りを断ち、ノミダニ対策はHEPA掃除+IGR薬剤を最終拭き後に散布。再発抑止は外周管理まで含める。樹木剪定で屋根・バルコニーへの“橋”を断ち、雨樋・配線・物置は離隔を確保、ペットフードや生ごみは戸外に置かない。雨仕舞いを損なわないことが大前提で、ルーフィング差し込みや捨て水切り新設で“上から下へ流す”を常に優先する。NGは、夜間の一斉封鎖、虫網やプラ格子での代用、釘だけの打ち付け、コーキング多用で通気・排水を殺す、発泡ウレタンでの充填、ブルーシートの長期放置。施工の品質担保は、材料品番・板厚・目開き・ビスピッチ・固定方法を見積に明記し、前中後の定点写真と封鎖箇所一覧を納品する体制の業者を選ぶこと。工事後は1〜2週間のモニタリングで静穏を確認し、半年・一年点検で金網の緩みや周辺の新規隙間を再確認すれば、通気口・瓦隙間・基礎開口を起点とする再侵入率は実務的に大幅に下げられる。

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カテゴリー: life

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